排卵が起きずに月経がくる【無排卵月経】とは何でしょうか。また、考えられる原因についても説明します。
ホルモンバランスとは/卵胞と黄体の関係で卵胞が排卵すると黄体に変化し、プロゲステロンが分泌される。と、説明しました。
そして妊娠しないと黄体が縮小し、プロゲステロンの分泌量が減り、生理が起こります。
排卵が起こらない場合、卵子は排出されず、卵胞も黄体に変化しないので本来の生理(妊娠に向けて厚くなった子宮内膜がリセットされて体外に排出される)は起こりません。しかし、エストロゲンの分泌により厚くなった子宮内膜が耐え切れずにはがれて出血が起こると、生理がきたと勘違いします。これが「無排卵月経」となります。
無排卵月経には出血がだらだら続く、生理周期が乱れやすいなどの特徴がみられる場合があります。
子宮内膜がはがれなければ出血は起こらず「無月経」の状態になります。
卵胞を成熟させるきっかけとなるのが「卵胞刺激ホルモン」です。卵胞が成熟してエストロゲンの分泌量がピークになると、下垂体から「黄体化ホルモン」が分泌され、排卵が起こります。排卵が起こるまでにはさまざまな「ホルモンのリレー」が行われているのです。この繊細なリレーがうまくいかないと、排卵は起きません。排卵が起きない原因はいろいろな場合がありますが、いくつかの例をあげます。
排卵を起こすきっかけになる「卵胞刺激ホルモン」「黄体化ホルモン」は脳の視床下部、脳下垂体から分泌されます。環境の変化や睡眠不足などのストレスが脳に影響をあたえてホルモンの分泌に支障をきたします。
卵巣ではエストロゲンとプロゲステロンが分泌されますが、卵巣のはたらきが弱くエストロゲンとプロゲステロンの分泌量や働きが十分でない場合、排卵は起こりません。
過度な食事制限や激しい運動を行うことで身体が排卵を抑制し、月経が止まることがあります。
無排卵を引き起こす病気として「多蓑胞性卵巣症候群」があります。卵巣の表面が厚くなり、卵子が外へ出られなくなってしまう病気です。また、脳下垂体に腫瘍などが出来た場合も無排卵の場合があります。